シュトレン(シュトーレン)

お店や街路樹のイルミネーションが華やかな季節になりました。気温は寒いですが、イルミネーションの明かりは、ちょっと気持ちをほっこりさせてくれますね。クリスマスソングが流れたり、クリスマスカラーの飾り付けもいろいろなところで目にしたりします。

クリスマスといえば、ケーキも楽しみのひとつです。真っ白な生クリームに真っ赤ないちごのショートケーキ。定番のケーキですが、色あいがなんともクリスマスにぴったり。ケーキ屋さんでプロの味を味わうもよし、ご家庭で手作りするもよし。楽しみ方もそれぞれ。

ブッシュドノエルという、薪の形を模したケーキもありますね。フランスのクリスマスのお菓子です。

ドイツには、シュトレンという伝統的なクリスマスのお菓子があります。イーストを使っているので、パンに近い感じでしょうか。最近では、日本でもお菓子やさんやパン屋さんなどで見かけるようになりましたが、ドイツのザクセン州ドレスデンが、発祥の地だといわれているそうです。

ブランデーやラム酒に漬け込んだドライフルーツやナッツ、バターがたっぷりと生地に練りこまれていて、表面にはこれまた粉砂糖がたっぷりと。まるで雪化粧をしているかのようです。

シュトレンの歴史は古く、初めて記録に現れたのは1474年だそうです。500年以上も前からあるなんて驚きです。15世紀に入るまでは、宗教的なきまりによって、水と酵母と小麦粉以外を使ってはいけないということになっていたそうです。かなり質素ですね。その後バターなどを使うことが許可されて、今のようなドライフルーツたっぷりのお菓子になったそうです。

シュトレンはとても日持ちがします。お店で売っているものでは、常温で2ヶ月程度と賞味期限が記載されているものも。ドイツでは、アドベントというクリスマス・イブの4週間前からイブまでの期間に、薄くスライスして少しずつ食べるのだそうです。日が経つにつれ、ドライフルーツやブランデーの味がだんだんと生地になじんで風味が増していくのだとか。想像しただけで美味しそうです。毎日食べるのは楽しみだけど、食べ終わってしまうのはさみしいような、そんな気分になりそうです。

お気に入りのケーキをつくったり新しい味に挑戦したり、今年は何を食べようかな、なんて考えながらクリスマスの雰囲気を味わうのも楽しそうですね。