信じて待つこと(日にち薬…?)

今日は久々に朝から晴れ間がのぞいていましたね。ここしばらく、(少なくとも朝のうちは)雨や曇りの日が続いていたので、少しホッとしたり、シャキッとした気持ちになったりしませんか? そんなことは関係なく年末でお忙しい、という方も多いかと思いますが…。試験やレポートに追われる学生さんの悲鳴も聞こえてくるようです。

さて、今日は少し真面目に、『苦しい時に何ができるか』という話をしようと思います。

それは、苦しんでいるその人が、何ができるか。その人の周りのご家族やお友達、恋人、先輩後輩、その人を取り巻く方々が何ができるか。そして、私たち、心理士や、お医者さん、看護師さん、ソーシャルワーカーさんなどの支援者が何ができるか…。

もちろん、お薬がお役に立つこともあります。大いにありますので、必要な時には我慢せずに、(ただし用量用法は守って)お使い頂ければと思います。(→専門用語では『薬物療法』と言います)。

学校の先生や職場の上司の方などにお話をして、助けてもらう、ということも役に立つかもしれませんね。教室の環境を変えてもらったり、業務の負担を軽減してもらったり、期限を延ばしてもらったり…。(→『環境調整』と言います)。

ご家族やお友達、信頼できる人にお話をして、お気持ちを立て直したり、どうしたら良いかの作戦を練る、という方法もありますよね。(→専門用語ではないですが、『サポートやフォローしてもらう』という感じでしょうか。『気持ちを受け止めてもらう』ということの効果も大きいと思います)。

それでもどうにもならない時。あるいはそういう人がいなかったり、何の手だても見つからない時。万策尽きてしまった時。

逆に、そこまで絶体絶命のピンチではないけれども、結構ギリギリの路線できていて、『ずっとこのままかなぁ…』と思ってしまう時。『もう無理だよ、これ以上頑張れないよ』と思ったり、『挽回できそうもないなぁ』と感じてどんよりしてしまう時。

そんな状況では、つけるお薬も、かける言葉もないように感じてしまうような時。

私たちにできるのは、『信じて待つ』ことかな、と私は思っています。言葉にしてしまうと、とても陳腐に聞こえますが。この信じるは、『変化が起こることを信じて待つ』という意味のつもりです。いつかは、時間が経って、問題が解決したり、傷がいえたり、生活状況も変わってきたり、その人の感じ方も変わってきたり…。(逆にこのような変化を短期間で起こすことは難しいですし、変化が急激すぎるとそれはそれでストレスにもなると、私は思っています)。

なので、カッコで(日にち薬…?)とつけました。カッコと『?』がついているのは、『日にち薬』というのは厳密には関西などで主に使われる言葉なんだそうです。また、元々は体の病気やケガが、『緊急な事態を乗り越えて、あとは自然な回復を待つばかり』となった時に使う言葉でもあるそうです。なので、お気持ちや状況が辛い時に使う言葉とは、ちょっと微妙に違うのかもしれませんが…。

時の流れは、本当に多くの変化をもたらします。もちろん、老いていくなどの『望ましい』とは言い難い変化もあります。それでも、草木は芽吹き、子ども達は成長していきます。『老いていく』中にも、知恵や安定感、信頼感など、時間の経過とともに増していく資質というものもあります。

そういうものを『信じて待って』みませんか。

今日一日が皆様にとって良い一日になりますように。

(山田)