秋の行事(えびす講)

今年も早いもので、いつの間にやらもう11月。暦の上では立冬も過ぎましたね。
日中は暖かい日も多いですが、朝晩の冷え込みもだんだんと強まり、秋の深まりを感じます。冬の足音もそう遠くなく聞こえてくるかもしれません。

この時期になると思い出すのが「モチモチの木」という絵本のこと。小学生の国語の教科書にも載っていた気がします。「霜月二十日の晩、モチモチの木に灯がともる」という言い伝えにまつわる、おじいさんと孫の男の子のお話です。子どものころは、本当に木に灯がともるのかなぁ、なんて思ったものです。そんなことを思い出しながらカレンダーを見てみると、11月20日にはえびす講の文字が。

旧暦の10月は神無月とも言い、各地の神様が出雲に集まる時期といわれていますね。神様が出雲に行っている間、留守を守っていたのがあの七福神の恵比寿様なんだそうです。そして、恵比寿様に感謝し、商売繁盛、五穀豊穣などを祈ったのが「えびす講」の由来と言われています。

えびす講は各地で行われていますが、その時期は地域によって様々で、旧暦にならって10月20日前後に行う地域もあれば、新歴の11月20日前後に行う地域もあるそうです。地域で大きなお祭りを開催したり、家庭ごとにしたり、おまつりの仕方もいろいろ。長野には花火を上げるほど大規模なお祭りもあるそうです。11月に花火なんて、珍しいですね。

えびす講の日には、えびす様にその年の新米の飯をはじめ、御馳走や、熊手、福笹飾りなどの縁起物をお供えします。お供えものには特別な決まりはなく、えびす様にちなんで鯛をお供えするところもあるようです。

関東のある地域では、えびす講の日には家庭で、白いご飯にけんちん汁、さんまの塩焼きを頂きます。えびす様には、白いご飯とけんちん汁、そして、生のさんまを2セットお供えします。

えびす様は商売、お金の神様なので、普段使っているお財布もお供えしてお金が貯まるようにお願いします。冬を前に、懐もあたたかくなるといいですね。

お供えしたもの食べ物は、翌日その家の人がいただきます。さんまはもちろん焼いていただくのですが、女の子がお供えしたものを食べるとお嫁にいくのが遅くなると言われているのだそうです。なぜなのか気になります。

紅葉もそろそろ見頃ですね。秋の彩りとおまつりを探しに、商店街などに出掛けてみるのもいいかもしれませんね。