第2回 きしろ心理相談室セミナー 開催されました

きしろ心理相談室による、第2回セミナーが7月22日開催され、酷暑のなか20名程の方にいらして頂きました。公演は法政大学現代福祉学部教授の関谷秀子先生をお招きし、「不登校・思春期のメンタルケア」というテーマでお話しいただきました。

講演の内容をごくごく簡単にまとめますと、まずは、思春期とは、「第二次性徴が始まってから身長が伸びるのが停止するまでの時期」のことを指し、身体的にも心理的にも性の成熟がなされる発達段階であること。その中で、親離れとそれに伴って同年代との交流のなかで新たな価値観を得て自分自身をつくっていくことがテーマとなっている。そのプロセスに問題が生じた場合、親離れがスムーズにいかず、すると仲間との交流に入っていくことが難しくなり、親離れと逆行するプロセス、いわゆる赤ちゃん返り状態を呈してしまう。よって、治療としては、それを正常な成長促進的なルートに戻すことになる、という内容でした。それについて、具体的な経過、対処法などもご説明がありました。そして、「思春期発達の基本的観点」として、「子どもの発達の上での問題の原因は多重的」なので、原因を探り出すよりも、今後どうなるか、どうするか、を考えることが生産的であること、「親が子供の自立性を尊重し、干渉しないことが健康な思春期の発達の前提となる」こと、「子どもの発達は子どもの自我理想(理想的な自己イメージ)が誘導する」という3点でした。

ご講演をきき改めて感じたのは、思春期というのは、人生の中での大変革の時であるということです。心も、身体も、関係性も、全く新しい地平に入っていく時であり、少し大げさに言えば第2の出生とも言えるのではないでしょうか。なので、思春期に「何の問題もない」ということはほとんどあり得ないことでしょう。人によって異なるのは、その大変革としての「問題」を、どのような形で表現するか(表現しないという表現も含め)の違いなのだろうと思いました。自分自身を振り返っても、決して楽な思春期ではなかったのは確かで、それにも増して中学時代など記憶にないことも多く、そのように混乱し怒涛の様な毎日を送っていたのだろうと思います。

思春期の「問題」は、本人にとっても家族にとっても本当に苦しいものです。そこには、本人の思春期を通して、親の思春期的問題が再度繰り返される側面もあるからです。関谷先生は、「親にとっての思春期的問題を解決するチャンス」とも仰っていました。子どもにとっても、親にとっても、大きなチャンスの到来とも考え得るということです。 今後も、思春期というテーマについて、様々な側面から考えていきたいと思っています。

(高梨)